【経審⑥】経営事項審査(経審)の技術者点数とは?評価基準と点数アップ方法を解説【福井対応】

建設業務
この記事は約10分で読めます。
  1. はじめに
  2. 技術者点数とは何か?(基礎整理)
    1. ■ 技術者点数はどこに反映されるのか?
    2. ■ 経審上の「技術職員」とは?
    3. ■ なぜ技術者点数が重要なのか?
  3. 評価対象になる技術者の条件
    1. ① 常勤であること
    2. ② 資格または実務経験を有していること
    3. ③ 社会保険加入等の要件
    4. ④ 重複計上はできるのか?
    5. ⑤ よくある補正・否認事例
  4. 資格別の点数区分(1級・2級で何点変わる?)
    1. ■ 主な資格区分のイメージ
      1. ① 1級資格者(最も高評価)
      2. ② 2級資格者
      3. ③ 実務経験のみの技術者
    2. ■ 1級と2級でどのくらい差が出るのか?
    3. ■ 複数資格を持っている場合
    4. ■ 重要なのは「人数 × 質」
  5. 技術者点数の具体例(福井モデル)
    1. ■ モデルケース①
    2. ■ モデルケース②
    3. ■ モデルケース③
    4. ■ モデルケース④
  6. ■ 福井県での実務感
  7. 技術者点数を上げる実務戦略
    1. ① 2級 → 1級への計画的ステップアップ
    2. ② 若手を“点数化”できる人材に育てる
    3. ③ 社会保険未整備の見直し
    4. ④ 採用戦略の見直し
    5. ⑤ 業種構成の最適化
  8. ■ 技術者点数は“人事設計”そのもの
  9. 福井県の入札での影響
    1. ■ ランク境界にいる会社が最も影響を受ける
    2. ■ 技術者点数がランクに与える実務影響
    3. ■ 福井県の特徴を踏まえた考え方
    4. ■ 経審は“提出して終わり”ではない
  10. 技術者点数でよくある失敗例
    1. ① 常勤証明の不備
    2. ② 資格と業種の不一致
    3. ③ 実務経験年数の誤解
    4. ④ 重複計上の誤り
    5. ⑤ 社会保険未整備による評価除外
  11. ■ 失敗の共通点
  12. まとめ|技術者点数は“設計できる”
  13. 建設業許可・経営事項審査・入札参加資格のご相談はお任せください

はじめに

経営事項審査(経審)では、完成工事高や経営状況だけでなく、「技術者の数と資格」が点数に大きく影響します。

実は、経審で思ったように点数が伸びない会社の多くが、
この“技術者点数”の仕組みを正しく理解できていません。

  • 1級と2級でどれくらい差が出るのか?
  • 実務経験のみの技術者は何点になるのか?
  • 営業所技術者はどう扱われるのか?
  • 技術者を1人増やすと何点変わるのか?

こうした疑問は、入札ランクや受注可能金額に直結します。

特に福井県の公共工事では、わずかな点数差がランクに影響することもあり、
技術者の配置や育成は「経営戦略」の一部と言っても過言ではありません。

この記事では、

  • 経審における技術者点数の評価基準
  • 資格ごとの点数区分
  • 計算方法
  • 実務上の注意点
  • 点数アップの具体策

を、福井県の実務を踏まえて分かりやすく解説します。

「うちは技術者が少ないから仕方ない」と思っている方こそ、
ぜひ最後までご覧ください。

技術者点数とは何か?(基礎整理)

経審の総合評定値(P点)は、いくつかの評価項目の合計で算出されます。

その中で、技術者に関係するのが「技術職員数評価(Z点)」です。

経審では、会社に所属する技術者の数や保有資格に応じて点数が加算されます。
単純に言えば、

「どれだけ質の高い技術者を、どれだけ確保しているか」

が数値化される仕組みです。

■ 技術者点数はどこに反映されるのか?

経審の評点は主に次の要素で構成されています。

  • X1:完成工事高
  • X2:自己資本額・利益額
  • Y:経営状況分析
  • Z:技術職員数
  • W:社会性等

このうち、技術者に直接関係するのが Z点(技術職員数評価) です。

完成工事高が同程度の会社であれば、
技術者点数の差がそのまま総合評定値の差になります。


■ 経審上の「技術職員」とは?

ここで重要なのが、
“誰でも技術者としてカウントできるわけではない”という点です。

経審で評価対象となるのは、

  • 常勤であること
  • 一定の資格または実務経験を有していること
  • 社会保険加入など要件を満たしていること

など、一定の条件を満たした技術職員に限られます。

つまり、

「現場で働いている=自動的に加点される」

わけではありません。


■ なぜ技術者点数が重要なのか?

技術者点数は、

  • 入札ランク
  • 参加可能な工事規模
  • 競争時の優位性

に直結します。

特に福井県の公共工事では、
わずかな評点差がランク分けに影響するケースもあります。

そのため、技術者の確保や育成は、
単なる人事の問題ではなく「経営判断」なのです。

評価対象になる技術者の条件

経審では、すべての従業員が技術者としてカウントされるわけではありません。

評価対象となるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。

ここを誤ると、申請後に減点・補正となることもあるため注意が必要です。


① 常勤であること

まず大前提として、「常勤」であることが必要です。

単なる名義貸しや、他社と兼務している場合は原則として評価対象になりません。

具体的には、

  • フルタイムで勤務している
  • 給与の支払い実態がある
  • 社会保険加入状況と整合している

といった点が確認されます。


② 資格または実務経験を有していること

経審では、次のいずれかに該当する必要があります。

  • 国家資格等を保有している技術者
  • 一定年数の実務経験を有する者

ただし、実務経験のみで評価される場合は、
資格保有者に比べて点数が低くなります。

また、業種との対応関係にも注意が必要です。

例:土木施工管理技士を持っていても、建築一式で加点できるとは限りません。


③ 社会保険加入等の要件

近年の改正により、社会保険加入状況との整合性は厳しく確認されます。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険

加入義務があるにもかかわらず未加入の場合、
評価対象から外れる可能性があります。


④ 重複計上はできるのか?

ここもよくある誤解です。

  • 1人の技術者を複数業種で計上できる場合があります
  • ただし資格内容や実務経験の範囲によって制限があります

営業所技術者としての要件と、
経審上の評価対象は必ずしも同じではありません。

ここを混同すると、点数計算を誤ります。


⑤ よくある補正・否認事例

実務上よくあるのは、

  • 常勤証明の不備
  • 実務経験年数不足
  • 資格証の業種不一致
  • 社会保険記録との不整合

などです。

「人数は足りているはず」と思っていても、
要件を満たしていなければ評価されません。

資格別の点数区分(1級・2級で何点変わる?)

経審の技術者点数(Z点)は、
保有資格の種類ごとに区分されて評価されます。

当然ですが、

1級資格者 > 2級資格者 > 実務経験のみ

という順で評価は高くなります。


■ 主な資格区分のイメージ

(※詳細な点数は審査基準改正により変動するため、最新基準を確認してください)

① 1級資格者(最も高評価)

例:

  • 1級土木施工管理技士
  • 1級建築施工管理技士
  • 技術士 など

最上位区分として評価され、
技術者点数に大きく寄与します。


② 2級資格者

例:

  • 2級土木施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士

1級より評価は下がりますが、
人数が増えれば十分に影響力があります。


③ 実務経験のみの技術者

一定年数の実務経験を満たせば評価対象になりますが、
資格保有者と比較すると加点は小さくなります。

そのため、

「実務経験者を増やす」より
「資格取得を進める」方が戦略的

となるケースが多いのが実務感です。


■ 1級と2級でどのくらい差が出るのか?

実務上の感覚としては、

  • 2級 → 1級へステップアップすることで
  • 総合評定値に数点~十数点影響することもあります

この差が、

  • 入札ランクの境界線
  • 同ランク内での競争

に直結します。


■ 複数資格を持っている場合

1人で複数の1級資格を保有している場合、
一定の範囲で業種ごとに評価されます。

ただし、

  • 同一業種内での重複計上は不可
  • 実務経験と資格の二重加算は不可

など、細かなルールがあります。


■ 重要なのは「人数 × 質」

経審の技術者評価は、

人数だけでもダメ
資格だけでもダメ

です。

例えば、

  • 1級1人+2級3人
  • 1級2人のみ

では評価の出方が異なります。

そのため、
単純に「1級を取ればよい」という話でもありません。

技術者点数の具体例(福井モデル)

ここでは、福井県でよくある中小規模建設会社を想定してみます。

■ モデルケース①

技術者構成:

  • 1級施工管理技士:1名
  • 2級施工管理技士:2名
  • 実務経験者:1名

この場合、Z点(技術職員数評価)は
「1級がどれだけいるか」でベースが決まり、
2級・実務経験者が積み上げ要素になります。

この構成でも、一定の評価は確保できますが、
ランク境界付近ではやや不安定です。


■ モデルケース②

1級をもう1名増員した場合

  • 1級施工管理技士:2名
  • 2級施工管理技士:2名
  • 実務経験者:1名

1級が1名増えるだけで、
総合評定値が数点〜十数点変動する可能性があります。

福井県の入札実務では、
この“数点差”がランク境界に影響することがあります。


■ モデルケース③

2級を1級にステップアップした場合

  • 1級施工管理技士:2名
  • 2級施工管理技士:1名
  • 実務経験者:1名

単純に人数が増えなくても、
資格区分の変更で点数は上昇します。

つまり、

採用しなくても点数は上げられる

というのが実務上の重要ポイントです。


■ モデルケース④

実務経験者のみで構成されている会社

  • 実務経験者:4名

この場合、人数はいても評価は伸びません。

ここが、

「人はいるのに点数が低い」

会社の典型パターンです。


■ 福井県での実務感

福井県の公共工事では、

  • Cランク上位
  • Bランク下位

といった“境界ゾーン”にいる会社が多く、

わずかな評点差が
参加可能工事額や受注機会に影響します。

そのため、

✔ 1級を増やす
✔ 2級を計画的に育成する
✔ 実務経験者を資格取得へ誘導する

といった人材戦略が、
そのまま経営戦略になります。

技術者点数を上げる実務戦略

技術者点数は、自然に上がるものではありません。

意識して設計しなければ、
何年経っても同じ点数のままです。

ここでは、実務上有効な戦略を整理します。


① 2級 → 1級への計画的ステップアップ

最も費用対効果が高いのは、
既存社員の資格取得支援です。

  • 受験費用の補助
  • 学習時間の確保
  • 合格後の手当支給

採用よりも低コストで、
点数上昇が見込めます。

「増員」より「格上げ」が効率的な場合も多いのが実務感です。


② 若手を“点数化”できる人材に育てる

現場経験はあるが資格がない――

この層を放置すると、
いつまでも実務経験者止まりになります。

若手の段階から、

  • 受験スケジュールを逆算
  • 業種との対応関係を意識
  • 将来の経審評価を見据えた配置

を行うことで、
中長期的に技術者点数は安定します。


③ 社会保険未整備の見直し

技術者がいても、
社会保険加入状況に不備があると評価対象外になる可能性があります。

特に中小企業では、

  • 役員の扱い
  • 家族従業員
  • 一人親方との関係

などで整合が取れていないケースがあります。

経審前に必ず確認が必要です。


④ 採用戦略の見直し

即効性を求めるなら、
1級資格者の採用は強力です。

ただし、

  • 人件費負担
  • 定着率
  • 実務適合性

も含めた総合判断が必要です。

「点数のための採用」にならないよう注意が必要です。


⑤ 業種構成の最適化

すべての業種で点数を伸ばす必要はありません。

福井県の入札傾向や
自社の受注戦略に合わせて、

  • 主力業種に集中
  • 将来参入予定業種を強化

といった設計を行うことが重要です。


■ 技術者点数は“人事設計”そのもの

経審の技術者評価は、単なる審査項目ではなく、

会社の将来設計が数値化されたもの

とも言えます。

  • どの資格を誰に取らせるか
  • 何年後に何人1級を持たせるか
  • どの業種を伸ばすか

これを考えていない会社は、
点数が伸び悩みます。

福井県の入札での影響

経審の技術者点数は、単なる数字ではありません。

福井県の公共工事では、
その点数が入札参加資格のランク分けに直接影響します。


■ ランク境界にいる会社が最も影響を受ける

福井県では、

  • Cランク上位
  • Bランク下位
  • Bランク上位

といった“境界ゾーン”にいる会社が少なくありません。

このゾーンでは、

数点〜十数点の差でランクが上下する

ことがあります。

そしてランクが変われば、

  • 参加可能な工事金額
  • 指名対象工事
  • 競争相手の層

が変わります。


■ 技術者点数がランクに与える実務影響

例えば、

  • 1級を1名増やした
  • 2級が1級に昇格した

これだけで総合評定値が上昇し、
ランクが一段階上がる可能性があります。

逆に、

  • 退職による1級減少
  • 社会保険不備による評価対象外

が起きると、
ランクダウンのリスクもあります。


■ 福井県の特徴を踏まえた考え方

福井県は大都市圏と比べ、

  • 企業規模が比較的コンパクト
  • 技術者数が限られる会社が多い

という傾向があります。

そのため、

技術者1名の増減が与えるインパクトが大きい

のが実務感です。

都市部のように
「人数が多い中での微差」ではなく、

「少人数ゆえの大きな差」になりやすいのです。


■ 経審は“提出して終わり”ではない

福井県の入札制度を前提にすると、

  • 来年どのランクを目指すか
  • どの規模の工事に参入したいか

から逆算して、
技術者構成を設計する必要があります。

経審は単なる手続きではなく、

入札戦略の土台

です。

技術者点数でよくある失敗例

経審では「人数は足りているはず」と思っていても、
実際には評価されていないケースが少なくありません。

ここでは、実務上よくある失敗例を整理します。


① 常勤証明の不備

もっとも多いのがこれです。

  • 雇用契約書の不整合
  • 出勤実態の証明不足
  • 社会保険記録とのズレ

形式上在籍していても、
常勤性が確認できなければ評価対象になりません。

特に、

  • 役員扱いの技術者
  • 家族従業員
  • 他社との兼務

は注意が必要です。


② 資格と業種の不一致

資格を持っていても、
申請業種と対応していなければ加点できません。

例えば、

  • 土木施工管理技士を持っているが建築一式で計上しようとする
  • 専門工事資格を一式工事で計上しようとする

など、業種対応の誤認は意外と多いです。


③ 実務経験年数の誤解

実務経験で計上する場合、

  • 必要年数の不足
  • 業種との対応関係の不備
  • 証明資料の不足

で否認されることがあります。

「長く働いている」だけでは足りません。


④ 重複計上の誤り

  • 同一業種内での二重計上
  • 実務経験と資格の重複加算
  • 営業所技術者との混同

このあたりは制度理解が曖昧だとミスが出やすい部分です。


⑤ 社会保険未整備による評価除外

加入義務があるにもかかわらず未加入の場合、
技術者としてカウントされない可能性があります。

特に中小企業では、

  • 役員報酬の扱い
  • 短時間勤務者
  • 家族従業員

で制度とのズレが出やすいです。


■ 失敗の共通点

これらの失敗に共通するのは、

「制度の前提条件を確認せずに計算している」

ことです。

経審は単なる足し算ではなく、
“評価対象として認められるかどうか”が出発点です。

まとめ|技術者点数は“設計できる”

経審の技術者点数は、

  • なんとなく人数がいる
  • とりあえず資格者がいる

という状態では、思うように伸びません。

重要なのは、

✔ 誰がどの資格を持っているか
✔ 何人をどの業種で評価させるか
✔ 来年どのランクを目指すか

を明確にすることです。

技術者点数は、
単なる審査項目ではなく、

会社の人材設計が数値化されたもの

です。

福井県の入札制度を前提にすれば、
技術者1名の増減がランクに影響することもあります。

そのため、経審は

「書類を整えて提出する手続き」ではなく
「入札戦略を設計する機会」

と捉えることが重要です。

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