【経審⑤】経営事項審査(経審)の点数アップ方法|実務で本当に効く対策を解説【福井対応】

建設業務
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はじめに

経営事項審査(経審)を毎年受けているものの、

「思ったより点数が伸びない」
「Cランクからなかなか上がらない」
「何をすれば点数が上がるのか分からない」

このようなお悩みを抱えていませんか?

経審の点数は、決して“運”で決まるものではありません。
仕組みを理解し、どこを改善すべきかを把握すれば、点数は戦略的に上げることができます。

ただし、ここで重要なのは、

  • すぐに改善できる項目
  • 1〜2年かけて整える項目
  • 経営方針そのものに関わる長期戦略

これらを分けて考えることです。

やみくもに売上を増やしても、必ずしもランクが上がるとは限りません。
逆に、小さな見直しだけで点数が伸びるケースもあります。

この記事では、

✔ 経審の点数を上げる具体的な方法
✔ 短期・中期・長期に分けた実践対策
✔ 福井県で入札を目指す場合の考え方

を、実務の視点からわかりやすく解説します。

「経審は毎年出す書類」ではなく、
「会社の格付けを設計する経営戦略」として捉えていただければ幸いです。

経審の点数はどこで決まるのか(簡潔な復習)

経営事項審査(経審)の総合評定値(P点)は、
大きく分けて次の5つの要素で構成されています。

  • X1:完成工事高
  • X2:自己資本額・平均利益額
  • Y:経営状況分析(財務内容)
  • Z:技術力(技術者数・資格など)
  • W:社会性等(社会保険・建退共・法令遵守など)

※詳しい仕組みは【経審④ 点数の仕組み】で解説しています。

ここで大切なのは、

点数は「ひとつの要素」だけで決まっているわけではない

ということです。

例えば、

  • 売上(完成工事高)だけを増やしても、
  • 技術者が少なければ点数は伸びません。
  • 財務内容が悪ければY点が足を引っ張ります。

つまり、経審の点数は「バランス」で決まります。


点数アップ=どこを触るかを決めること

経審対策というと、

「売上を上げる」
「利益を出す」

といった漠然とした話になりがちですが、
実際にはもっと具体的です。

  • Z(技術力)を上げるのか
  • W(社会性)を整えるのか
  • Y(財務)を改善するのか

どこを改善すれば効率よく点数が伸びるのか。

これを見極めることが、経審対策の第一歩です。

次章からは、

  • すぐにできる短期対策
  • 1〜2年で変わる中期対策
  • 経営設計として取り組む長期戦略

に分けて、具体的な点数アップ方法を解説します。

【短期でできる】すぐ効く点数アップ対策

経審の点数アップというと、
「売上を増やす」「利益を出す」といった時間のかかる話を想像されがちです。

しかし実務上は、書類の見直しや制度の整備だけで点数が伸びるケースも少なくありません。

まずは、今すぐ確認できるポイントから整理しましょう。


① 技術者の資格が正しく評価されているか確認する

Z点(技術力)は、

  • 技術職員数
  • 保有資格の種類
  • 監理技術者資格者証の有無

などで評価されます。

実務では、

  • せっかく資格を持っているのに評価対象に入っていない
  • 実務経験証明が整理されていない
  • 経審用の届出が漏れている

といったケースが意外とあります。

まずは、自社の技術者一覧を洗い出し、

「本当に最大評価になっているか?」

を確認することが重要です。

(※詳しくは【経審⑥ 技術者点数】で解説予定)


② 建退共・退職金制度の加入状況を確認する

W点(社会性等)では、

  • 建設業退職金共済制度(建退共)
  • 退職一時金制度
  • 企業年金制度

などが評価対象になります。

建退共に加入しているだけで、
一定の加点が見込めます。

「入っていないから無理」ではなく、
加入を検討するだけで翌年の点数に反映できるというのがポイントです。


③ 社会保険加入状況を整備する

社会保険未加入は、

  • 減点対象
  • 入札参加資格にも影響

する可能性があります。

逆に言えば、
適正加入しているだけで安定した評価を確保できるということです。

特に小規模事業者の場合、

「実質家族経営だから…」と曖昧な運用になっていることがあります。

経審を受ける以上、社会保険関係は整理しておくべき項目です。


④ ISO等の認証取得(該当する場合)

ISO9001やISO14001などの認証は、
W点で加点対象となります。

ただし、

  • 取得コスト
  • 維持コスト

とのバランスもあるため、
会社規模に応じて検討する必要があります。


短期対策のポイント

短期対策の本質は、

「すでに持っているものを最大評価にする」

ことです。

新しい売上を作らなくても、
新しい人材を採用しなくても、

  • 評価漏れの修正
  • 制度加入の検討
  • 書類整備

だけで点数が伸びることがあります。

まずはここから始めるのが王道です。

【中期対策】1〜2年で変わる項目

短期対策が「見直し」であるのに対し、
中期対策は「準備と育成」です。

すぐに点数へ反映はしませんが、
1〜2年で確実に差がつく部分でもあります。


① 技術者の資格取得を計画的に進める

Z点(技術力)は、
資格の有無で大きく差が出ます。

例えば、

  • 1級施工管理技士
  • 技術士
  • 監理技術者資格者証

などは評価が高い資格です。

「今いる人材でどう点を最大化するか」だけでなく、

将来を見据えて誰に何を取ってもらうか

を設計することが重要です。

特に福井県内の入札では、
技術者数の差がランク差に直結することがあります。

資格取得支援制度を設けることは、
単なる福利厚生ではなく“経審対策”でもあります。


② 自己資本の増強

X2(自己資本額・平均利益額)は、
財務体質の安定性を示す指標です。

改善方法としては、

  • 増資
  • 利益剰余金の積み上げ
  • 不要資産の整理

などがあります。

特に自己資本は、

「経審のためだけ」ではなく
金融機関評価にも直結します。

経審対策と財務戦略は、本来セットで考えるべきものです。


③ 経営状況分析(Y点)の改善

Y点は、
専門機関による財務分析結果が反映されます。

主な評価指標は、

  • 純支払利息比率
  • 負債回転期間
  • 自己資本比率
  • 営業利益率

などです。

一度の決算で劇的に改善するものではありませんが、

  • 借入構造の見直し
  • 利益確保の意識
  • 不採算工事の見直し

によって、徐々に改善が可能です。

(※詳しくは【経審⑧ 経営状況分析】で解説予定)


中期対策の本質

中期対策は、

「来年の経審のため」ではなく
「2〜3年後のランクのため」に行うもの

です。

経審は単年度勝負ではありません。

継続的に受ける制度だからこそ、
“計画的な改善”が効果を発揮します。

【長期戦略】本気でランクを上げたい会社がやること

短期対策や中期対策は「改善」です。

しかし、本気でランクを一段上げたい場合は、
会社の方向性そのものを設計し直す必要があります。

経審は単なる手続きではなく、
会社の“格付け制度”だからです。


① 完成工事高を戦略的に積み上げる

X1(完成工事高)は、
依然として大きなウェイトを占めます。

ただし重要なのは、

やみくもに売上を増やすことではありません。

例えば、

  • 業種ごとの配分を意識する
  • 得意分野に集中する
  • 高単価案件を安定的に受注する

など、「どう積み上げるか」が問われます。

工事種類の分散が多すぎると、
特定業種の点数が伸びないケースもあります。

経審を意識するなら、

どの業種で勝負する会社なのか

を明確にする必要があります。


② 技術者層を“厚く”する

Z点は人数と資格で評価されます。

長期的には、

  • 若手育成
  • 複数資格化
  • 経験年数の積み上げ

が重要になります。

特定の1人に依存している会社は、
その人が抜けた瞬間に点数が大きく下がります。

安定したランクを維持するには、

「層」を作る

ことが不可欠です。


③ 経審を“3年設計”で考える

実務上よくあるのは、

「今年どうするか」だけを考えるケースです。

しかし、

  • 技術者育成
  • 財務改善
  • 売上構造の見直し

は、1年では完成しません。

本気でランクを上げたい会社は、

✔ 3年後にどのランクを目指すのか
✔ そのために今年何をするのか

を逆算して動いています。

経審は、
“書類提出の制度”ではなく
“経営設計のツール”です。


長期戦略の本質

経審対策の最終形は、

「点数を上げる」のではなく
「評価される会社を作る」

ことです。

点数は結果にすぎません。

会社の体質が変われば、
点数は自然とついてきます。

福井県で経審対策を考えるときのポイント

経審の制度自体は全国共通ですが、
実際に影響するのは「各自治体の入札制度」です。

つまり、

経審の点数 = そのまま結果
ではなく
経審の点数 × 福井県の格付基準
で意味が決まります。


① ランク区分を意識する

福井県では、
経審の総合評定値(P点)をもとにランク区分が決まります。

ランクが変わると、

  • 参加できる入札の規模
  • 指名される可能性
  • 受注機会の幅

が変わります。

つまり重要なのは、

「10点上げること」ではなく
「ランク境界を越えること」

です。

例えば、

  • あと15点でBランク
  • あと8点で指名範囲拡大

このような場合、
対策の優先順位は大きく変わります。


② 地域要件との関係

福井県内の入札では、

  • 地域区分
  • 営業所所在地
  • 地域貢献

などが影響する場合があります。

経審の点数だけを見ていても、
受注戦略としては不十分です。

経審対策は、
入札参加資格申請とセットで考える必要があります。

(※詳しくは【経審⑨ 入札参加資格申請】で解説予定)


③ 小規模事業者こそ戦略が重要

福井県は大都市圏とは違い、

  • 事業者数
  • 技術者数
  • 売上規模

に大きな差があります。

だからこそ、

大手と同じ土俵で戦うのではなく
自社に合ったランク戦略を取る

ことが重要です。

例えば、

  • 無理に売上を追わず、Z点とW点で底上げする
  • 業種を絞って評価を集中させる

など、現実的な戦略が有効です。


福井県での経審対策の本質

経審は全国共通の制度ですが、

「福井県でどう勝つか」は別問題です。

✔ どのランクを目指すのか
✔ どの規模の工事を取りにいくのか
✔ 何年で到達するのか

これを明確にしてはじめて、
経審対策は意味を持ちます。

経審の点数アップでよくある誤解

実務の現場でよく聞く“勘違い”があります。


誤解① 売上を増やせば必ずランクは上がる

確かに完成工事高(X1)は重要です。

しかし、

  • 技術者が不足している
  • 財務内容が悪化している
  • 社会性項目で減点がある

といった場合、
売上増加がそのまま点数増加につながらないこともあります。

バランスが崩れると、思ったほど伸びないのが経審です。


誤解② 赤字だからどうせ無理

赤字決算であっても、

  • 技術者数
  • 社会性項目
  • 自己資本の水準

によっては、十分戦えるケースもあります。

単年度赤字=即不利、とは限りません。

むしろ重要なのは、

継続的な改善姿勢があるかどうか

です。


誤解③ 行政書士に任せれば点数は上がる

経審申請を正確に行うことは重要です。

しかし、行政書士ができるのは

  • 現状分析
  • 改善提案
  • 適正な申請

までです。

会社の体質そのものを変えるのは、
経営判断と日々の積み重ねです。

経審は“魔法の手続き”ではありません。


まとめ|経審は「経営設計」で変わる

経審の点数は、

  • 短期で見直せる項目
  • 1〜2年で変わる項目
  • 会社の方向性に関わる長期戦略

の組み合わせで決まります。

重要なのは、

どこを触れば効率よく伸びるのかを見極めること

です。

闇雲に売上を追うのではなく、
技術者を増やすだけでもなく、

「自社にとって最も効果的な改善点」を
冷静に分析することが第一歩です。

経審は単なる申請ではありません。

会社の評価を“設計”する制度です。

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