はじめに
建設業許可の相談で、経管の次に多いのが次のケースです。
「経営業務の管理責任者はいるが、
営業所技術者になれる人がいない」
この状態では、
原則として建設業許可を取得・維持することはできません。
しかし実務では、
「本当に誰も該当しないのか」を整理すると、
現実的な選択肢が見えてくるケースも少なくありません。
この記事では、
営業所技術者がいない場合に取り得る現実的な対処法を
優先度順に整理します。
大前提:営業所技術者なしでは許可は取れない
まず最も重要な前提です。
営業所技術者は、
建設業許可の必須要件です。
- 代替制度はない
- 省略はできない
- 名義貸しは不可
この前提を踏まえたうえで、
どう体制を整えるかが検討ポイントになります。
対処法① 社内で営業所技術者になれる人がいないか再整理する
最初に必ず行うべきなのが、
「本当にいないのか」を整理することです。
見落とされやすい例
- 実務経験が10年以上あるが、整理できていない
- 指定学科卒で、年数短縮が使える
- 過去の業務内容が業種と一致している
「資格がない=営業所技術者になれない」
とは限りません。
対処法② 実務経験で営業所技術者になれる可能性を検討する
資格がなくても、
- 原則10年
- 指定学科卒なら3年・5年
の 実務経験 があれば、
営業所技術者になれる可能性があります。
実務上のポイント
- 工事内容と業種の一致
- 継続性
- 証明書類の有無
👉 「経験はあるが証明できない」
というケースが最も多いため、
整理が重要です。
対処法③ 営業所技術者になれる人を迎え入れる
社内に該当者がいない場合、
外部から営業所技術者になれる人を迎える
という選択肢があります。
実務で多いパターン
- 親族
- 元同僚・元上司
- 信頼関係のある協力業者
注意点
- 名義だけの配置は不可
- 常勤性が必要
- 実態のある雇用関係が前提
対処法④ 代表者自身が営業所技術者要件を満たす
小規模事業者では、
- 代表者が資格を取得する
- 代表者の実務経験を整理する
ことで、
代表者=営業所技術者
という体制を取るケースも多くあります。
👉 中長期的には
最も安定した体制になりやすい方法です。
対処法⑤ 許可業種を見直す
現在想定している業種では
営業所技術者がいなくても、
- 他の業種であれば
要件を満たせる
というケースがあります。
例
- とび・土工・コンクリート → 土木一式
- 解体工事 → とび・土工
👉 実態と将来計画を踏まえた
業種設計が重要です。
対処法⑥ 一定期間、許可不要の範囲で事業を続ける
すぐに許可が必須でなければ、
- 軽微な工事に限定
- 実務経験・資格取得を進める
という 時間を使った対処法 もあります。
ただし、
- 工事金額制限
- 元請からの要請
により、
事業拡大の制約になる点には注意が必要です。
やってはいけない対処法(重要)
❌ 名義貸し・形式的配置
- 実態のない雇用
- 書類だけ整えた配置
👉 不許可・取消の重大リスクがあります。
❌ 「後で何とかする」前提で申請
営業所技術者要件は、
後追いでは解消できません。
実務では「体制設計」が最重要
営業所技術者がいない問題は、
- 書類の書き方
- テクニック
では解決しません。
- 誰を
- どの立場で
- どの業種の技術者として配置するか
という 体制そのものの設計 が必要です。
まとめ
営業所技術者がいない場合でも、
- 実務経験の再整理
- 外部人材の活用
- 業種の見直し
- 時間を使った要件充足
といった 現実的な選択肢 は存在します。
重要なのは、
「無理に通す」ことではなく、
将来も維持できる体制を作ることです。
次に読むべき記事
- 営業所技術者の実務経験年数の考え方
- 実務経験で営業所技術者になる場合の証明方法
- 営業所技術者変更時の手続きと注意点まとめ
- 営業所技術者と経管は兼ねられる?

