はじめに
営業所技術者は、
建設業許可を支える必須の人的要件です。
そのため、
- 退職
- 異動
- 資格失効
- 病気・高齢による実務不可
などにより営業所技術者が変更になると、
許可の維持そのものに影響が出ることがあります。
この記事では、
営業所技術者変更時の基本的な手続きと、
実務で特に注意すべきポイントを整理します。
大前提:営業所技術者が欠けた状態はNG
まず重要な前提です。
営業所技術者が不在の状態では、
建設業許可の要件を満たしません。
つまり、
- 「後で届け出ればいい」
- 「一時的だから問題ない」
という考え方は通用しません。
営業所技術者の変更が必要になる主なケース
次のような場合、
営業所技術者変更の手続きが必要です。
- 営業所技術者が退職・辞任した
- 別の営業所へ異動した
- 資格の有効期限が切れた
- 実務経験要件が否定された
- 経管との兼務が成立しなくなった
営業所技術者変更時の基本的な手続き
① 新しい営業所技術者の要件確認
最初に行うべきは、
新たに営業所技術者となる人が要件を満たすかの確認です。
- 対応する業種の資格を持っているか
- 実務経験年数は足りているか
- 常勤性を満たすか
👉 ここを曖昧にしたまま進めるのが、
最も危険です。
② 営業所技術者変更届の提出
営業所技術者が変更になった場合、
変更届の提出が必要です。
提出先
- 主たる営業所を管轄する土木事務所 等
提出期限
- 原則として 変更後2週間以内
(※自治体ごとに運用差あり)
③ 添付書類の準備
主に次の書類が求められます。
- 営業所技術者変更届
- 新営業所技術者の資格証写し
または実務経験証明書 - 常勤性を確認できる資料
(健康保険証写し、雇用契約書 等)
👉 実務経験の場合は、
証明資料のボリュームが多くなりがちです。
変更時に特に注意すべきポイント
注意点① 空白期間を作らない
最も多いトラブルがこれです。
退職 → 次の営業所技術者が決まるまで様子見
👉 この期間、
許可要件を欠く状態になります。
実務上は、
- 退職日
- 就任日
を 連続させる設計 が重要です。
注意点② 「資格がある=即OK」ではない
資格があっても、
- 業種が合っていない
- 専任性(常勤性)がない
場合は、
営業所技術者として認められません。
注意点③ 代表者変更と混同しない
営業所技術者の変更は、
- 代表者変更
- 経管変更
とは 別の手続き です。
👉 同時に起こる場合でも、
それぞれ個別に要件確認・届出が必要です。
注意点④ 実務経験者への切替はハードルが高い
資格者から
実務経験者へ切り替える場合、
- 証明書類が多い
- 補正が入りやすい
という点に注意が必要です。
👉 事前相談を強くおすすめします。
営業所技術者が変更できない場合の対応
もし、
- 新しい営業所技術者が確保できない
- 要件を満たす人がいない
場合は、次の選択肢を検討します。
- 許可業種の見直し
- 一時的に許可不要工事に限定
- 中長期で資格取得・年数充足を目指す
※ 名義貸し・形式的配置は
絶対に行ってはいけません。
実務では「事前相談」が非常に重要
営業所技術者変更は、
- 人の問題
- 書類の問題
- タイミングの問題
が複雑に絡みます。
👉 変更前に管轄窓口へ相談することで、
リスクを大きく下げられます。
まとめ
営業所技術者の変更は、
- 許可維持に直結する重要手続き
- 空白期間・要件確認不足が最大リスク
- 書類よりも体制設計が重要
という点がポイントです。
「変更が起きてから考える」のではなく、
起こり得る前提で備えることが、
建設業許可を安定して維持するコツです。

