はじめに
建設業許可は、
取得より「維持」のほうが難しいと言われることがあります。
実務では、
「悪いことをしたつもりはない」
「忙しくて後回しにしていた」
こうした理由で、
気づかないうちに取消リスクを抱えているケースが少なくありません。
この記事では、
建設業許可が取り消される典型パターンを10個に整理し、
それぞれ なぜ危険なのか/どう防ぐか を解説します。
① 決算変更届を長期間提出していない
内容
- 事業年度終了報告(決算変更届)を
数年分まとめて未提出
なぜ危険?
- 許可維持義務違反
- 更新時に発覚 → 更新不可・取消リスク
防ぎ方
- 毎年必ず提出
- 「売上ゼロ」でも提出する
👉 実務上、最も多い原因です。
② 経営業務の管理責任者(経管)が実質的に不在
内容
- 名義だけの経管
- 実際は経営に関与していない
- 退職・死亡後に放置
なぜ危険?
- 人的要件欠如
- 実態調査で否認される
防ぎ方
- 実態のある経管配置
- 変更があれば速やかに届出
③ 営業所技術者が常勤していない
内容
- 他社と兼務
- 現場常駐で営業所に不在
- 形だけの配置
なぜ危険?
- 「専任性」違反
- 立入検査で指摘されやすい
防ぎ方
- 勤務実態の整理
- 常勤性を説明できる体制
④ 虚偽の申請・事実と異なる記載
内容
- 実務経験の水増し
- 架空の工事経歴
- 実態と違う役職・在籍期間
なぜ危険?
- 一発アウト
- 行政処分の対象
防ぎ方
- グレーな判断はしない
- 証明できる内容だけ記載
⑤ 欠格要件に該当した
内容
- 役員が一定の刑罰を受けた
- 破産・復権していない
- 暴力団関係者との関与
なぜ危険?
- 法律上の取消事由
- 故意・過失は関係なし
防ぎ方
- 役員変更時の事前確認
- 定期的なチェック
⑥ 許可業種と異なる工事を請け負った
内容
- 許可外業種の工事を
500万円超で請負
なぜ危険?
- 無許可営業
- 指導 → 処分 → 取消の流れ
防ぎ方
- 業種区分の正確な理解
- 業種追加を検討
⑦ 許可票の未掲示・虚偽掲示
内容
- 営業所に許可票がない
- 古い許可票を掲示
- 内容が実態と違う
なぜ危険?
- 表示義務違反
- 立入検査で即指摘
防ぎ方
- 更新・変更後は必ず差替
- 掲示場所を固定
⑧ 変更届を出していない(人・所在地・役員)
内容
- 役員変更
- 営業所移転
- 商号変更
を 届出せず放置
なぜ危険?
- 法令違反の積み重ね
- 信用低下 → 処分対象
防ぎ方
- 変更があったら「まず届出」
- 期限管理を徹底
⑨ 社会保険未加入・不適正な労務管理
内容
- 健康保険・厚生年金未加入
- 名ばかり一人親方
- 実態と違う雇用形態
なぜ危険?
- 指導対象
- 継続是正されないと処分
防ぎ方
- 社会保険加入の適正化
- 労務管理の見直し
⑩ 行政指導・処分を軽視していた
内容
- 指導を無視
- 是正報告を出していない
- 「そのうちやる」で放置
なぜ危険?
- 悪質と判断されやすい
- 取消判断につながる
防ぎ方
- 指導=最終警告と認識
- 速やかな是正対応
まとめ|取消は「突然」ではない
建設業許可の取消は、
- いきなり起きるものではなく
- 小さな違反の積み重ねで起きます。
特に重要なのは👇
- 毎年の決算変更届
- 人的要件の継続
- 変更届の即時対応
👉 「取った後の管理」こそ最大のリスク対策です。
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