はじめに
建設業許可を取ったあと、
最も放置されやすく、かつ致命的になりやすい手続きが
この 決算変更届(事業年度終了報告) です。
「更新のときにまとめて出せばいいと思っていた」
「出していなかったけど、特に何も言われなかった」
――この考え方、かなり危険です。
この記事では、
決算変更届の基本から、実務での注意点までを完全に整理します。
決算変更届とは?
正式名称
事業年度終了報告書
目的
- 建設業者の経営状況・工事実績を
毎年行政に報告するための制度
👉 更新手続きの前提条件になる重要な届出です。
いつまでに出す?
提出期限
事業年度終了後 4か月以内
例:
- 決算期:3月31日
→ 提出期限:7月31日まで
👉 期限を過ぎても受理はされますが、
更新時に大きな問題になります。
誰が提出する?
- 建設業許可を受けている すべての事業者
- 工事実績がない年でも 提出必須
👉 「売上がないから不要」は 誤りです。
決算変更届の全体像(書類構成)
決算変更届は、
主に次の 4つのパートで構成されます。
- 変更届出書
- 工事経歴書
- 財務諸表
- その他の添付書類
① 変更届出書
- 事業年度が終了したことの報告
- 会社情報・代表者情報の確認
👉 形式的ですが、提出は必須です。
② 工事経歴書(ここが一番重要)
何を書く?
- その年度に請け負った工事の内容
- 元請/下請の区分
- 工事金額
実務ポイント
- 金額の大小ではなく 内容の正確性
- 業種区分の誤りに注意
- 実績ゼロの場合も「該当なし」で提出
👉 ここは後の業種追加・更新に直結します。
③ 財務諸表
提出する書類
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 完成工事原価報告書
- 株主資本等変動計算書(法人)
👉 税務申告書とは別物なので注意が必要です。
④ その他の添付書類
- 事業報告書(法人)
- 納税証明書(求められる場合)
※ 自治体ごとに細かい違いがあります。
よくあるNG・トラブル例
❌ 毎年出していなかった
→ 更新不可
→ 過去分をまとめて提出することに
❌ 工事経歴書の内容が曖昧
→ 補正・差戻し
→ 業種追加ができない
❌ 税理士任せで建設業様式になっていない
→ 再作成が必要
更新との関係(超重要)
建設業許可の更新では、
- 直近5年分の決算変更届
が揃っていないと、
更新申請が受理されません。
👉 つまり、
毎年の決算変更届=更新の下準備です。
実務での正しい運用方法
おすすめはこの管理方法です。
- 決算確定 → 2か月以内に作成
- 毎年同じフォーマットで管理
- 工事経歴は日頃からメモ・台帳化
👉 「あとでまとめる」は
ほぼ確実に漏れます。
自分で出せる?専門家に任せる?
自分で出す場合
- 費用は抑えられる
- ただし様式理解が必須
専門家に任せる場合
- 工事経歴書の精度が上がる
- 将来の業種追加・更新がスムーズ
👉 実務では「毎年任せる」事業者が多数派です。
まとめ
決算変更届は、
- 毎年必須
- 工事経歴書が最重要
- 更新の前提条件
という、
“地味だが最重要”な手続きです。
「今は問題ない」ではなく、
5年後を見据えて毎年きちんと出すことが
建設業許可を守る最大のポイントです。
次に読むべき記事
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