建設業許可の取得要件【完全解説】― 経営業務の管理責任者・営業所技術者・財産要件まで ―

建設業務
この記事は約3分で読めます。

はじめに

建設業許可の取得にあたり、最も重要となるのが「取得要件」です。
建設業許可は、単に申請書を提出すれば取得できるものではなく、
建設業法で定められた複数の要件をすべて満たしていることが前提となります。

本記事では、建設業許可の取得に必要な要件について、
制度の趣旨と実務上のポイントを踏まえながら、体系的に解説します。


建設業許可の取得要件一覧

建設業許可を取得するためには、主に次の5つの要件を満たす必要があります。

  1. 経営業務の管理責任者がいること
  2. 営業所技術者(専任技術者)がいること
  3. 財産的基礎を有していること
  4. 欠格要件に該当しないこと
  5. 適切な営業所を有していること

以下、それぞれ詳しく解説します。


① 経営業務の管理責任者(経管)要件

経営業務の管理責任者とは

経営業務の管理責任者とは、
建設業の経営について一定期間以上の経験を有する者を指します。

許可制度上は、
「建設業の経営に関して総合的な管理責任を負った経験」が重視されます。

主な該当例

  • 建設業者の代表取締役・個人事業主としての経営経験
  • 建設業法人の役員としての経営経験
  • 経営に準ずる地位(事業部長・支店長等)での経験

※ 単なる現場作業経験だけでは原則として認められません。

実務上の注意点

  • 年数だけで判断されない
  • 実際にどのような業務に関与していたかが重要
  • 書類による裏付け(確定申告書、登記簿、契約書等)が求められる

② 営業所技術者(専任技術者)要件

営業所技術者とは

営業所技術者とは、
請け負う工事について技術的な管理を行う責任者です。

許可を受ける業種ごとに、
営業所ごとに常勤で配置する必要があります。

該当要件の区分

営業所技術者は、次のいずれかで要件を満たします。

1. 資格による要件

  • 1級・2級施工管理技士
  • 技術士
  • 電気工事士、管工事施工管理技士 など

2. 実務経験による要件

  • 原則10年以上の実務経験
  • 指定学科修了者は3年・5年で足りる場合あり

実務上の注意点

  • 業種ごとに実務経験の内容が問われる
  • 工事内容と許可業種の整合性が重要
  • 元請・下請を問わず、実態で判断される

③ 財産的基礎の要件

建設業を継続的に営むための
最低限の財務基盤があるかを確認する要件です。

一般建設業の場合

以下のいずれかを満たせば足ります。

  • 自己資本が500万円以上ある
  • 500万円以上の資金調達能力がある
  • 許可取得後の自己資本が500万円以上となる見込みがある

特定建設業の場合

要件はさらに厳しくなり、以下すべてが必要です。

  • 欠損額が資本金の20%未満
  • 流動比率が75%以上
  • 資本金2,000万円以上
  • 自己資本4,000万円以上

④ 欠格要件に該当しないこと

次のような場合には、建設業許可を取得できません。

  • 建設業法違反等による処分歴がある
  • 禁錮以上の刑に処せられ、一定期間が経過していない
  • 破産手続開始決定を受けて復権していない
  • 暴力団関係者である など

※ 法人の場合は、役員全員が対象となります。


⑤ 営業所の要件

建設業許可は、
実体のある営業所を前提としています。

営業所として認められるためのポイント

  • 継続的に事業活動を行っている場所であること
  • 事務机・電話・帳簿等が備え付けられていること
  • 住居兼用の場合でも、業務スペースが明確であること

単なる名義上の住所や、実態のない事務所は認められません。


要件は「組み合わせ」で判断される

建設業許可の取得可否は、
単一の要件だけで判断されるものではありません

  • 経管と専技を誰が担うのか
  • 法人か個人か
  • 取得する業種は何か
  • 将来、業種追加や特定許可を目指すのか

こうした点を踏まえ、全体設計が重要となります。


まとめ

建設業許可の取得要件は、

  • 法律上の要件
  • 書類による立証
  • 実務上の運用
    が密接に関係しています。

形式的に年数や資格を見るだけではなく、
「実態として要件を満たしているか」が判断のポイントとなります。

次に読むべき記事

タイトルとURLをコピーしました