
はじめに
「経営業務の管理責任者(経管)」について、
最も多い誤解が「年数は足りているのに認められない」というものです。
実務では、
- 何年あれば足りるのか
- どの立場での年数がカウントされるのか
- 途中で肩書きや形態が変わった場合はどうなるのか
といった点が問題になります。
この記事では、
経管の年数要件をケース別に整理し、
実務で判断されるポイントを明確にします。
経営業務の管理責任者の「基本年数」
まず押さえるべき基本ルールは次のとおりです。
原則
建設業に関する経営業務の管理責任者としての経験が5年以上
※ ただし「5年あれば自動的にOK」という意味ではありません。
ケース別 年数要件まとめ
ケース① 個人事業主として建設業を経営していた場合
必要年数:5年以上
対象となる立場
- 建設業の個人事業主
- 事業主として請負契約・資金管理を行っていた
カウントされる期間
- 開業日〜廃業日(または現在まで)
実務ポイント
- 確定申告書(控)が重要資料
- 建設業としての売上が確認できるかが鍵
👉 最も認められやすいケース
ケース② 建設業法人の代表取締役として経営していた場合
必要年数:5年以上
対象となる立場
- 代表取締役
- 代表社員(合同会社など)
注意点
- 登記されている期間=自動的にOKではない
- 実態として経営判断に関与していたかが見られる
👉 設立直後の名義貸し的な代表は要注意
ケース③ 建設業法人の取締役として経営に関与していた場合
必要年数:5年以上(内容審査が厳しい)
認められる可能性がある立場
- 取締役として経営会議に参加
- 契約・資金・人事に関与していた
注意点
- 単なる「役員名義」では不可
- 業務分掌や実態説明が不可欠
👉 立証資料の作り方で結果が分かれるケース
ケース④ 経営に準ずる地位(支店長・事業部長など)
必要年数:6年以上
該当しうる立場
- 支店長
- 工事部長
- 事業部長
カウント条件
- 経営者に準ずる裁量があったこと
- 単独での経営判断権限が一定程度あったこと
👉 現場責任者・職長は原則該当しません
ケース⑤ 他業種の経営経験がある場合
原則:カウント不可
よくある誤解
- 不動産業の社長経験
- 製造業の経営経験
👉 建設業特有の経営経験が求められるため、
他業種の経営年数は原則として認められません。
ケース⑥ 個人事業主 → 法人成りしている場合
通算可能(条件あり)
ポイント
- 個人事業主としての経営経験
- 法人役員としての経営経験
これらは 内容が一貫していれば通算可能 です。
注意点
- 業種が一致しているか
- 実態が連続しているか
👉 法人成り案件ではよく使われる考え方です。
ケース⑦ 建設業許可を持っていない会社での経験
カウント可能(重要)
ポイント
- 「建設業許可の有無」は直接関係しない
- 実態として建設工事を請け負っていたかが重要
👉 無許可期間=経管になれない、ではありません。
年数があっても認められない典型例
次のような場合は、年数があっても否認されやすくなります。
- 名義だけの役員・代表
- 建設業としての売上がほとんどない
- 現場作業のみで経営判断に関与していない
- 書類上、経営関与が確認できない
年数要件は「期間 × 内容 × 証明」で判断される
経営業務の管理責任者の年数要件は、
- 何年やっていたか
- 何をしていたか
- それをどう証明できるか
この3点を セットで見られます。
単純な年数計算だけでは判断されません。
まとめ
経営業務の管理責任者の年数要件は、
- 原則5年(経営に準ずる地位は6年)
- 立場ごとに判断基準が異なる
- 年数より「実態」と「証明」が重要
という点が重要です。
「足りているはず」「ダメだと思っていたが可能だった」
どちらも実務では珍しくありません。
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