はじめに
経営業務の管理責任者(経管)については、
**「経験があるか」よりも「どう証明するか」**が実務上の最大のポイントです。
実際の審査では、
- 何年やっていたか
- どの立場で、何をしていたか
- それを裏付ける客観資料があるか
を 書類ベースで厳格に確認されます。
この記事では、
経管を証明するために使われる主な書類を
ケース別・書類別に解説します。
経管の証明は「組み合わせ」が基本
まず重要な前提として、
1種類の書類だけで完結することはほとんどありません。
実務では、
- 立場を証明する書類
- 期間を証明する書類
- 建設業としての実態を示す書類
を 複数組み合わせて立証します。
① 個人事業主としての経管経験の証明
必須となる中心書類
確定申告書(控)
- 所得税確定申告書(第一表・第二表)
- 5年分(原則)
ポイント
- 事業所得として申告されているか
- 建設業収入が確認できるか
- 継続性があるか
👉 最重要書類
補足資料(実態補強)
- 請負契約書
- 注文書・請書
- 工事請求書・領収書
- 工事台帳・見積書
👉 「建設業として何をしていたか」を説明するために使用
② 法人の代表取締役としての経管経験の証明
中心書類
履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 代表取締役の在任期間を確認
ポイント
- 就任日と退任日の明確化
- 経管として主張する期間と一致しているか
補足資料
- 法人税確定申告書(別表一)
- 工事請負契約書
- 会社案内・業務内容資料
👉 「名義だけの代表ではない」ことを示す
③ 法人の取締役としての経管経験の証明
中心書類
- 履歴事項全部証明書
- 株主総会議事録
- 取締役会議事録
追加で重要な資料
- 業務分掌規程
- 職務内容説明書(任意様式)
ポイント
- 契約・資金・人事に関与していたこと
- 経営判断に責任を持つ立場だったこと
👉 書類説明力が合否を分けるケース
④ 経営に準ずる地位(支店長・事業部長等)の証明
必須資料
- 辞令・発令書
- 組織図
- 職務内容説明書
補足資料
- 工事決裁書
- 契約書への署名権限資料
注意点
- 「現場責任者」では弱い
- 経営判断権限の説明が不可欠
⑤ 個人事業主 → 法人成りしている場合
使用する書類
- 個人事業主時代:確定申告書
- 法人化後:登記簿・法人税申告書
ポイント
- 事業内容の連続性
- 実態が途切れていないこと
👉 通算立証が可能な代表的ケース
⑥ 建設業許可を持っていない期間の証明
重要な実務ポイントとして、
無許可期間=経管経験不可ではありません。
使用書類
- 請負契約書
- 請求書・入金記録
- 確定申告書
👉 実態として建設業を営んでいたかが判断基準
書類作成時によくあるNG例
次のような場合、補正や否認につながりやすくなります。
- 年数と書類の期間が一致しない
- 建設業売上が確認できない
- 書類のつじつまが合わない
- 説明資料がなく、判断を丸投げしている
実務で重要な「説明資料」
形式書類だけで足りない場合、
**職務内容説明書(任意様式)**が非常に重要になります。
記載すべき内容
- 担当していた業務内容
- 意思決定の範囲
- 経営への関与度
👉 審査側が「判断しやすい」資料を用意することが重要
証明は「ストーリー」で組み立てる
経管の証明は、
- いつから
- どの立場で
- 何をして
- それを何で証明するか
という 一貫したストーリーが必要です。
書類は、その裏付けにすぎません。
まとめ
経営業務の管理責任者の証明では、
- 単一書類では足りない
- 年数より「実態」と「説明」が重要
- 書類の組み合わせ方で結果が変わる
という点が重要です。
「足りない」と思っていたケースでも、
整理次第で要件を満たすことは少なくありません。
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