はじめに
営業所技術者は、
資格がなくても「実務経験」によって要件を満たすことが可能です。
一方で、
- 何年あれば足りるのか
- どんな仕事が「実務経験」に当たるのか
- 下請・アルバイト・個人事業主は含まれるのか
といった点が分かりづらく、
誤解のまま申請して補正・否認されるケースも少なくありません。
この記事では、
営業所技術者の実務経験年数の考え方を
制度趣旨と実務運用の両面から解説します。
営業所技術者の実務経験|基本ルール
まず、最も基本となる年数要件です。
原則
許可を受けようとする業種について
10年以上の実務経験
👉 これが大原則です。
学歴がある場合の年数短縮
一定の学歴がある場合、
必要な実務経験年数が短縮されます。
指定学科を修了している場合
- 大学・高専卒:3年以上
- 高校卒:5年以上
※ 指定学科とは、
土木・建築・電気・機械など
業種に対応する学科を指します。
👉 卒業証明書・成績証明書が重要資料になります。
「実務経験」として認められる業務内容
営業所技術者の実務経験とは、
建設工事の施工に直接関わる技術的業務を指します。
認められやすい例
- 現場での施工管理
- 工事の段取り・工程管理
- 品質・安全管理
- 職長・現場責任者としての業務
👉 単なる補助作業や雑務は含まれません。
認められにくい業務内容
次のような業務は、
実務経験として否認されやすいです。
- 事務作業のみ
- 営業・見積業務のみ
- 資材運搬のみ
- 清掃・片付けのみ
雇用形態は問われるか?
結論:雇用形態そのものは問われません
実務経験としてカウントできるのは、
- 正社員
- 契約社員
- アルバイト
- 個人事業主
いずれであっても、
実態として建設工事に従事していたかが判断基準です。
👉 ただし、証明方法は雇用形態ごとに異なります。
下請・孫請でも実務経験になる?
結論:なります
元請・下請の区別はありません。
- 下請
- 二次下請
- 三次下請
であっても、
工事内容と業種が一致していれば実務経験として認められます。
業種ごとの一致が最重要ポイント
実務経験で最も重要なのは、
👉 「経験した工事内容」と「取得する許可業種」が一致しているか
です。
NG例
- 解体工事の経験 → 土木一式
- 電気工事の経験 → 管工事
👉 名前が似ていても、
業種が違えばカウントされません。
実務経験の「期間」の考え方
フルタイムが原則
- 常勤での従事が前提
- 断続的・スポット的な経験は評価されにくい
空白期間の扱い
- 建設業以外の勤務期間
- 長期離職期間
👉 原則として実務経験から除外されます。
実務経験年数のカウント方法(実務)
- 月単位で積み上げる
- 工事内容が明確でない期間は除外されることあり
- 申請先によって細かな確認が入る場合あり
よくある誤解(注意)
❌ 現場に10年以上いればOK
→ 業種が一致していなければ不可
❌ 資格があるから年数は不要
→ 資格の種類によっては実務経験が必要な場合あり
❌ 一部だけ該当すれば足りる
→ 一貫した実務経験が求められます
実務では「経験内容の説明」がカギ
営業所技術者の実務経験は、
- どんな工事を
- どんな立場で
- どの程度関与したか
を 書面で具体的に説明できるか が重要です。
👉 年数よりも
中身の説明力で判断が分かれることもあります。
まとめ
営業所技術者の実務経験年数は、
- 原則10年
- 学歴により3年・5年に短縮可
- 工事内容と業種の一致が最重要
- 雇用形態や元請・下請は問われない
という整理になります。
「年数があるか」だけでなく、
その経験が“どの業種の技術者経験なのか”
を正確に整理することが、許可取得の近道です。
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