はじめに
建設業許可の相談で非常に多いのが、
「年数は足りているはずなのに、
経営業務の管理責任者(経管)として認められなかった」
というケースです。
経管要件は、
年数だけで機械的に判断されるものではなく、
立場・実態・証明方法を総合的に見られるため、
思わぬところで要件を満たさないと判断されることがあります。
この記事では、
実務上よく見られる
「経管になれない典型パターン」を10例紹介します。
① 現場作業の経験しかない
最も多い誤解がこのケースです。
- 現場作業歴が10年以上ある
- 職長・現場責任者をしていた
しかし、
現場経験=経営経験ではありません。
経管として求められるのは、
- 請負契約
- 資金管理
- 対外的な経営判断
への関与です。
② 代表取締役だが就任期間が短い
形式的に代表者であっても、
- 就任して間もない
- 許可申請直前に就任している
場合は、
必要な経営経験期間を満たしていないと判断されます。
③ 名義だけの役員・代表
- 実質的な経営は別の人が行っていた
- 経営判断に関与していなかった
このような場合、
登記上の肩書きがあっても
経管とは認められません。
④ 建設業としての実態が確認できない
- 売上の大半が他業種
- 建設業の請負実績がほとんどない
この場合、
「建設業の経営業務」とは言えず、
経管経験として否認される可能性があります。
⑤ 年数は足りているが書類が揃わない
経管要件は、
書類で証明できなければ認められません。
- 確定申告書がない
- 契約書・請求書が確認できない
- 在任期間を示す資料が不足している
年数があっても、
証明できなければ要件不備となります。
⑥ 他業種の経営経験しかない
- 不動産業
- 製造業
- サービス業
これらの経営経験があっても、
原則として建設業の経管経験にはなりません。
⑦ 経営に準ずる地位と説明しているが裁量がない
- 支店長
- 工事部長
といった肩書きがあっても、
- 契約権限がない
- 資金決裁権がない
場合は、
経営に準ずる地位とは認められにくいです。
⑧ 補助・補佐の経験を誤解している
「経営業務を補助していた」というだけでは足りません。
- 誰を補助していたのか
- どの業務をどこまで担当していたのか
が具体的に説明できなければ、
経管経験として認められません。
⑨ 個人事業主から法人化した際の整理不足
- 個人時代と法人時代の業務内容が不明確
- 期間の連続性が説明できない
この場合、
通算できるはずの年数が否認されることがあります。
⑩ 「年数だけ」を強調して説明している
実務でよくあるのが、
「とにかく5年以上やっています」
という説明だけで申請してしまうケースです。
経管要件では、
- 立場
- 業務内容
- 権限
- 書類
を セットで説明する必要があります。
経管要件は「落とすための制度」ではない
経営業務の管理責任者要件は、
形式的に排除するためのものではありません。
ただし、
- 整理不足
- 説明不足
- 証明不足
があると、
本来満たしているはずの要件でも否認される
というのが実務の現実です。
まとめ
経営業務の管理責任者になれない典型パターンは、
- 年数だけに注目している
- 経営実態の説明が弱い
- 書類整理ができていない
という点に共通点があります。
「自分は該当しない」と思っていても、
整理次第で判断が変わるケースは少なくありません。
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